美容クリニックで働いていると、看護師のお客さまや友達から「美容クリニックってどんなことするの?」「やっぱり手術とか多いの?」と聞かれることが結構多いです。
特に、病院勤務の看護師さんからよくこの手の質問を受けます。「転職考えているんです・・・」と。そのお気持ちよく分かります。私も実際、美容クリニックで働くまで、未知すぎて不安でした。
しかし数年前に比べると、ずいぶん美容クリニックが世の中に浸透してきたような気がします。
美容看護師に憧れを抱いて下さる看護師さん、看護学生さん、他職種さんも多く見かけます。ということで今回は、美容クリニックの仕事の中でも外科について紹介していこうと思います。
美容クリニックの手術ってどんなものが多いの?
美容外科では、目元や鼻・唇・輪郭・脂肪吸引・婦人系・・・などなど挙げればキリがないくらい種類があります。
二重手術もクリニックによって様々
一番、イメージしやすいのは二重術ではないでしょうか。実際、私が働いてきたクリニックでも二重整形が一番多かったです。
二重といってもクリニックによっていろいろな術式があります。
メスを使わない、いわゆる切らない埋没法
しっかり切開して半永久的な二重をつくる切開法
また、糸のかけ方などの違いによって耐久性やダウンタイムに違いが出てきます。
ダウンタイムが気になる
切開系の手術や、脂肪吸引など体に負担の大きい手術には長期間のダウンタイムがあります。
ダウンタイムとは、施術してから回復するまでの期間のことをいう。美容整形の治療では、麻酔による腫れや手術に伴う腫れ、むくみ、アザなどができやすく、日常活動が制限されることがある。同程度の後遺症でも、職業や本人の意識によって回復期間には違いがあるが、手術前の生活を取り戻せるまでの時間のことをいう。
そのため、普段仕事や学業がある方は長期休暇中や、GWやお盆、年末年始など連休または春夏冬休みを利用して手術を受ける方がほとんどです。
埋没法などはプチ整形とも言われるくらいで、腫れない方は術直後からほとんどバレないんじゃないかってくらい自然な方もいらっしゃいます。(もちろん、めちゃ腫れる方もいます)
土日が休みだと金曜日に手術を受ける・・なんて方も多いです。
美容看護師はOP介助が主な仕事
まずは手術の準備
手術内容が決まれば看護師はOPの準備をします。
ドラマでよく見るガチガチのOP服を着る・・・というクリニックはあまりないのではないでしょうか。(脂肪吸引など、感染リスクの高い手術は着る場合もあります。)
「え?大丈夫なの?」と思う方もいると思いますが、手術に使用する器具は病院と同じように滅菌された物品を使用するのでご安心を。
看護師は、手術に使用する器具を準備します。
手術の方法は同じでも執刀するDrによって好みの器具がある場合もあるので、それを把握した上での準備をする時もあります。(メンドクサイネ)
あとはOP室の準備ですね。
OP内容やお客様の問診表を見て必要なものを揃えます。
ゴムアレルギーがある場合は対応している手袋に変えるとか、ほぼ全裸になるなら寒いのでバスタオルを用意しておく・・・などなど。
手術が始まればDrのOP介助をする
手術中は執刀するDrに機械を渡したりサポート的な役割をします。
阿吽の呼吸まではいかなくとも、次にどんなことをするのか?どの器具が欲しいのか?と考えて次に渡す準備をしておかなければスムーズに手術が進まないので、看護師には先読みする能力が求められます。
クリニックのマニュアルを熟読して、先輩の姿を見て練習あるのみです。
手順が頭に入っていれば、とっさのイレギュラーにも対応できるようになります。Drと息がぴったり合ったなと思うと、謎の達成感があります。
病院では、OP 室看護師じゃないとなかなか見慣れないのではないかなと思います。
手術後のフォローも忘れずに
手術後は、直後の状態を見てもらい、注意点や薬の説明をします。
腫れや内出血などダウンタイムは、一般的に手術後2〜3日がピークだと言われています。帰宅した後の様子がイメージできるようになるべく詳しく分かりやすく説明するようにしています。
そのため、これからどのような経過を辿っていくのか、こんなふうになるけど何日すると次第に落ち着いてくるから大丈夫だよーというのを看護師自身も勉強しておくとより伝えやすいと思います。
片付けや滅菌作業をする場合もある
クリニックによっては、助手さんがしてくれるところもあると思いますが、基本的にクリニックは人数が少ないので空いてる看護師が片付けることもあります。
忙しい時なんかはかなりバタバタするので、裏は戦場と化していることもしばしば・・・
美容ナースは外科が好きな人、皮膚科が好きな人、様々。
私はどちらかというと、外科の方が好きです。
手術を受ける方の中には、人生の一大イベントといっては過言ではないくらいの思いで受ける人もいます。ずっとずっとずっと悩んで、クリニックに来るのさえ何年もかかって決心し手術しに来る人もいます。
私たちは1日に何回も手術に携わりますが、その人にとって見ればたった一回の手術です。不安でいっぱいの中、いかにリラックスしてもらえるか、その人に寄り添えるかを考えます。
「悩んだけど手術してよかった、声をかけてもらって安心した」
そんな言葉をもらう度に嬉しくなります。美容看護師やっててヨカッターって思います。
もちろん、皮膚科も好きです。それぞれにやりがいを感じるところがあって、楽しいです。
以上
美容外科、気になるな〜って方に少しでも参考になれば嬉しいです。